1月2日、3日はどうしても箱根駅伝に釘付けになってしまいます。
大学生の走り、駅伝のおもしろさ、自分の住んでいる県、そして箱根の魅力・・・
見たい要素がたくさん詰まった箱根駅伝を、娘の出身大学を応援しながら、毎年見て楽しんでいます。
時々、箱根の山に登っているけれど、いつか旧街道を歩いてみたいと思っていました。
「箱根の山は天下の険~」と歌われた、あの険しい山を旅人がどんな思いで超えたのか、
小田原から三島まで歩いて体感してみたいと思っていたんです。
それで、お天気もよかったので早速出かけてきました。
湯本まで電車で行き、そこからはひたすら歩きで、700メートルくらい登ります。
この道は駅伝で走り抜ける道でなく、所々江戸時代の石畳が残っている旧道です。
その天下の険の険しさは、駅伝でも伝わるけれど、このいろは坂のごとき七曲がり。
そんな勾配には「猿すべり坂」とまで名前が付いていて、そこをを登っていきます。
道を歩きながら、いろいろなことが頭に浮かんできます。
昔の旅、昔の旅人、参勤交代、大名行列、旅支度、温泉、箱根寄せ木細工、駅伝・・・
などなど考えながら、途中休憩を入れて5時間程で元箱根に到着。
元箱根から芦ノ湖畔の箱根神社の赤い鳥居と青い湖面、そしてその彼方にそびえる富士山、
という絶景に会うことができました。
元箱根には展望風呂のある「むさしや」という旅館で汗を流しました。
私一人の展望風呂から、芦ノ湖、駒ヶ岳(富士山は残念ですが見えないの)そして青い空を
堪能してきました。
すると、ロビーの壁に何やらサインが張られて・・・と見ると、なんということでしょう。
あの東洋大学の箱根の山登りの神様の柏原選手と下りの市川選手、そして早稲田の瀬古さん。
なんと東洋大学と早稲田大学の定宿だったんです。
帰りは登った道をバスで確かめながら、たった35分で下りてきてしまいました。
自分の脚であるくしかなかった昔の旅人。
懐中電灯の代わりの小田原提灯、靴は草鞋、レインコートの代わりは蓑、リュックサックの代わりに
振り分け荷物。
籠に揺られる殿様やお姫様だって、あの急勾配では坐っていても辛かったでしょうに。
新横浜から小田原まで新幹線なら15分あまり。
交通の発達はこの100年ほどでこんなに変わってしまったんですね。